会長あいさつ

会長
会長 髙原 哲夫

 兵庫県耳鼻咽喉科医会のホームページにアクセスいただき、ありがとうございます。
 2022年新年を迎え、オミクロン株による新型コロナ新規感染者数はすさまじい勢いで増加し、第6波の到来と考えられています。全国35都道府県にまん延防止等重点措置が適用され、様々な行動制限がなされています。皆様、外出・飲食に際しては十分ご注意ください。まずは、マスクの着用と密状態での多人数での会話を避けるとともに喚起に十分気を付けていただきたいと思います。一刻も早く収束して、以前の日常が戻ってくることを祈っております。

 当医会は兵庫県医師会の分科医会であり、1954年に発足して既に70年近くの歴史を有する、耳鼻咽喉科を専門とする医師組織であります。県下で耳鼻咽喉科診療に携わる、大学病院医師、病院勤務医師、診療所開業医師で構成されており、現在約480名の会員を有しています。我々の第一義は、耳鼻咽喉科の専門スキルを持って、各々の活動地域における医療に奉仕・貢献することであります。
 学術、保険医療、学校保健、福祉医療・成人老年、福祉医療・乳幼児、産業・環境保健、救急医療、医事問題、広報の9事業部から構成され、広汎な兵庫県全域を神戸地区、阪神地区、播州地区、但馬地区と区分した県下各地区より委員、役員が出務して会の運営に当たっています。
 3月は耳鼻咽喉科月間、7月は頭頸部外科月間と位置づけ、県民の皆様に当科を十分理解していただけるよう、各地で講演会や無料相談会等を開催しています。
 また三歳児健診の出務や学校医として生徒の健診を行い各地域の耳鼻咽喉科健診事業に協力しています。
 地域の皆様の切実なご要望でもある休日や夜間における緊急時の救急医療についても、各地区の会員が交代で診療に当たっております。

 耳鼻咽喉科の正式名称は、「耳鼻咽喉科頭頸部外科」です。頸部(首)から上方で、脳、眼、歯を除いた広範囲に渡る領域が耳鼻咽喉科頭頸部外科の診療範囲であり、空気の通路(気道)や食物の通り道等の人が生きていく上で重要な部位や音を聞く(聴覚)、臭いをかぐ(嗅覚)、食べ物を味あう(味覚)、体のバランスをとる(平衡覚)等の感覚神経や感覚器の病気や異常を取り扱い、人間らしい質の高い文化的な生活(Quality Of Lifeの向上)を送る上での大切な器官の異常について、ご相談にのるとともに、治療を行っています。頭頸部外科としては、耳・鼻に限らず咽喉頭、口腔・舌、耳下腺や顎下腺(唾液を作る腺)、甲状腺等の悪性・良性疾患も当科の専門領域に当たる疾患です。

 日本は世界に名だたる高齢者社会を迎えようとしています。ご高齢になると、食事における咀嚼・嚥下(食べ物をかみ砕いたり、飲み込む能力)や呼吸や発声等の生きていくために不可欠な機能も少しずつ低下しています。また充実した文化的な老後の生活を送るために重要な聴覚、嗅覚、味覚、平衡覚などの感覚器の機能も低下して参ります。最近では難聴が進むと、他人との会話や社会に出て活動する機会など人との接点が減少して、認知症やフレイル(身体の予備能力が低下し健康障害を起こしやすくなった状態)を進行させる要因となることが知られています。
 一方、老若男女を問わず約50%の皆様はアレルギー性鼻炎・花粉症を有し、鼻水やくしゃみ、鼻つまりなどの症状で苦しんでおられ、もはや国民病と言っても差し支えない様な状況です。また、近年ストレスの多い生活に起因するめまいや難聴・耳鳴りを自覚される皆様も多くみられます。

 上記の様なことで、お困りの事がありましたらお近くの耳鼻咽喉科を受診されることをお薦め致します。
 このホームページによって、皆様が耳鼻咽喉科頭頸部外科や耳鼻咽喉科医会への理解を少しでも深めていただければ幸いです。

令和4年2月10日